補聴器について

 聞き返しが多くなる、テレビの音が聞き取りにくい、1対1だとよく聞こえるが数人での会話は聞き取りにくい、などと感じたら難聴の兆候かもしれません。テレビの音が大きい、何度も聞き直すことがある、といったことは周りの人の負担になっている可能性もあります。また、難聴は他の人とのコミュニケーションがとりにくくなることから近年では認知症やうつ病との関連性が指摘されています。

 日本では補聴器について、見た目が悪いとか雑音が大きいなどといわれてきたため、あまりよい印象をもっていない方が多いようです。しかしながら現在では補聴器は非常に小さくなりデジタル化され雑音もうまく処理されるようになり、悪い印象をもっていた方でも実際つけてみると手放せなくなる方も多いです。

 補聴器は管理医療機器であり、補聴器が必要か、効果があるかを正しく決めるためには聴覚検査の結果と日常の音の環境とそれぞれの人にとって重要な会話の関係から総合的に判断することが必要です。聴力障害と補聴器の両方を熟知した日本耳鼻咽喉科学会認定の補聴器相談医の診察を受けてください。

 当院の医師は日本耳鼻咽喉科学会認定の補聴器相談医であり、また国立障害者リハビリテーションセンターでの研修を修了した補聴器適合判定医の資格を有しております。

 まずは難聴の原因となる疾患が隠れていないかを診断し、治療可能なものを治していくことが優先されるため必ず医師の診察を受けてください。その結果として補聴器が必要となる場合は専門医が適切な補聴器をご相談の上お勧めします。補聴器は決して安価なものではありませんが高価すぎるものを選ぶ必要はほとんどありません。ご自身で判断される前にまずは一度ご相談ください。