こどもの急性中耳炎

 こどもの発熱を診たら中耳炎を疑う必要があります。38℃以上の発熱が3日以上続いている感じにおける急性中耳炎の頻度は0歳児で70%にもなるといわれています。また、生後1歳までに60%の子供が一度は急性中耳炎にかかり、3歳までに50%が3~5回の中耳炎を起こしています。

 急性中耳炎は鼻かぜや副鼻腔炎など、鼻の細菌感染が原因で起こります。また、鼻汁は長引く咳の原因や喘息の悪化にもつながるため、鼻水が続いているようなときはしっかり治療してあげる必要があります。

 急性中耳炎は発熱などの全身状態とともに鼓膜の所見によって軽症~重症に区分され、それぞれに適した治療法がガイドラインによって推奨されています。そのため、適切な診断を行うためには正確な鼓膜の所見をとらなくてはなりません。そもそもこどもの耳の穴は狭いうえ耳垢がたまっていることも多く、診察時にあばれてしまうこどもの耳垢を安全に除去し鼓膜を観察することができるのは耳鼻科医だけといえるでしょう。

 治療については重症度に応じ推奨されている種類の抗生物質を飲んでいただくのが基本となりますが、鼓膜所見が重症で高熱や強い耳の痛みを伴うような場合は鼓膜切開をして膿を出してあげる必要があります。これは耳鼻科の専門的な処置になります。