こどもの中耳炎は繰り返しおきたり(反復化)とても長引いたり(遷延化)する場合が多くあります。その要因として
- 1. 2歳未満
- 2. 集団保育
- 3. いつも鼻水がでている(鼻副鼻腔炎の合併)
- 4. 両耳とも中耳炎
などが指摘されています。「0歳、1歳で保育園に通うようになったとたん鼻水がでてなおらない。そのうちに熱が出て耳が痛くなり耳漏.がでた。」といった経過は春先に多くみられます。2歳未満は免疫力が弱く、さらに集団保育で細菌に感染する機会が増えるためです。
また数日間の抗生物質内服で痛みや熱が改善した場合でも中耳炎は治りきっていないことが多く、ちゃんと治っていないとまたすぐに再発してしまったり滲出性中耳炎に移行してしまうことがあります。中耳の炎症が改善したかどうか鼓膜をしっかり観察し、きちんと治るまで治療を継続することが必要です。上記1~4に当てはまるような場合はとくに注意しましょう。
小児急性中耳炎の反復化・遷延化がもたらす影響
こどもの急性中耳炎が繰り返したり長引いたりすることによる影響として
・通院の増加 ・患児の休園/休校 ・治療の長期化
・保護者の休職 ・入院治療 ・重篤化(合併症など)
などが指摘されています。その結果、患児と家族の身体的・精神的・経済的負担が増加するため、初期のうちにしっかり治してしまうことが大切です。